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私達は英語学習にお金と時間を費やしすぎている

私達は英語学習にお金と時間を費やしすぎている

記事執筆者:管理人

記事執筆日:2023年05月31日 03時26分

記事更新日:2023年12月18日 03時36分

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タグ:コラム



日本人は英語学習にお金と時間を費やしすぎていると思っています。

ノルウェー・オスロ

日本の学生たちに聞いてみると、日本語のプレゼンスを矮小化して捉えている傾向にあることに気づきました。世界には3000〜5000にも及ぶ言語があると言われている中で、日本語の話者人口は10位以上です。わざわざ外国語を使わなくても日常会話から研究分野までのほとんど全てを日本語で賄えるということです。

非英語圏のヨーロッパの小国などを例に取ってみると、母国語の話者人口が少ないため映画や本などのメディアについては海外のものを輸入し、英語のまま楽しんでいます。私はノルウェーのオスロ大学に留学していたことがあるのですが、北欧では老若男女問わず英語も話せます。オスロ市内のスーパーマーケットでバターを探していたところ、おばあちゃんが親切にも英語で教えてくれました。日本のおばあちゃんは英語を話せない人が多いですが、当然そういった背景があるわけです。
オスロのスーパー

ノルウェー語の吹き替えが入った映画を見つけるのもすこし難しいです。北欧は人口が少なく、エンタメ分野を筆頭に日常生活の中に英語が入り込まないと成り立たないのです。わざわざ英語をノルウェー語に吹き替える余裕はありません。
日本はエンタメを自給自足し、また輸入の際に翻訳しても採算がとれるという点で恵まれているのです。
スウェーデンに売っていた、珍しくスウェーデン語に吹き替えられた映画

そうした意味で、日本人が英語を学ぶ必要性は、本質的にはどこにもないことになります。英語を必死に学んでいるこの現状は、「アメリカに戦争で負けたから」というのが契機となりました。アメリカ英語は世界全体から見れば英語の方言です。実際、海外で「英語を学ぶ」というと「イギリス英語を学ぶ」ことを指す場合が多いのです。日本人がアメリカ英語を学んでいるのは、アメリカに戦争で負けたからです。

私達は英語をネイティブレベルで話せるようにはなりません。これは人間が「思考してから言語を使う」のではなく「言語によって思考する」という、言語論の観点に立った考え方です(これはあまりに長いので別で書きたいと思います)。簡単に言えば、「驚く」という表現が存在せず「(誰かに)驚かされる be surprised」と表現する英語においては、相手に働きかける使役の表現が発達しているゆえに、自分中心の世界観があることなどです。英語では住所を細かい番地から州へという順番で記述するのも、自己中心的な思考に根ざしていると言えるかもしれません。日本語を基盤とした日本的な思考法を日常的に使っているのに、英語的な思考を強要されることで日本人はストレスを感じてしまいます。繰り返しになりますが、私達はどうせ英語をネイティブレベルで話せるようにならず、アメリカやイギリスの小学生のほうが流暢に英語を話します。そのことを早めに受け入れて割り切った気持ちで英語と向き合うべきです。

留学時代にこんなことがありました。2012年のある日、パーティーに様々な国籍の学生が集まりました。当時はギリシャで財政破綻があったので、その場にいたギリシャ人学生にみんなでいろいろと質問をします。ところがそのギリシャ人はギリシャの財政破綻について私達以上の知識を持っていませんでした。そうすると、そのギリシャ人学生はギリシャ人であるというアイデンティティをその場では失ったことになり、ただの「英語が話せる人」になってしまいました。私達はそのギリシャ人に対して、もう聞きたいことがありませんでした。彼に特別な存在意義を見出すことがなくなり、話題は他に変わりました。
多国籍の場、世界の縮図
同じように、日本人学生が海外に出たとき、この現象は多発しているのだと思います。「英語が話せる」ということ自体にアイデンティティを持ち、その他に強みを持っていない日本人が多いからです。日本人が海外に出れば日本のことを聞かれます。往々にして、彼らは日本で育った私達に日本的な思考背景を求めます。そのときに私達が「ただ英語が話せる人」であれば、それはもう現地の小学生と大して変わりません。

さて現代の英語圏の学生たちが何をしているのかというと、日本人が英語を学んで疲弊している間に、彼らは物理や数学などの他の実践的な学問を身につけています。これではいつまで経っても日本がアメリカに追いつくことができません。英語学習に中高の6年も費やして、さらに大学や塾で英語を学んでいます。その結果、英語を話せる日本人が周りにどれだけいるでしょうか。英語と日本語はその構造があまりにかけ離れています。「必要性」が迫られていない環境で学ぶ事柄に何の意味もありません。今一度、この事実を見直して、日本の学生たちには英語を「さっさと習得」してもらって、他の学問に打ち込んでほしいと思っています。
英語学習サイトを作っておいてなんなんだ、という感じですが、ぜひ小テストジェネレーターやその他の無料ツールを上手く使って、本当に実入りのあることに時間とお金を使ってほしいと思っています。
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