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「ながら勉強」は非効率的であることを、どう伝えるか

「ながら勉強」は非効率的であることを、どう伝えるか

記事執筆者:管理人

記事執筆日:2023年12月20日 12時44分

記事更新日:2023年12月20日 12時47分

閲覧数: 359

タグ:勉強法



ながら勉強が非効率的であることは、誰もがうすうす感じていることでしょう。
大人からすれば、スマホを片手に勉強している子供を見るたびに得も言われぬ焦燥感だけが募ります。
しかし、実際にどのようなメカニズムで効率が落ちているのかを説明するのはとても難しいことです。

ポイントはエネルギー消費

オーストラリアのアデレード大学で心理学部長を務める認知心理学者・神経科学者のエレーヌ・フォックスは、タスクのスイッチング時に必要な脳のエネルギー消費に着目しています。
人間の脳は基本的にマルチタスクに対応しておらず、一見同時にやっているようにみえることも、細かなタスクの切り替え(スイッチング)をしているだけです。その証拠に、人間が何かの緊急事態や慣れていない物事に集中しているとき、同時並行的なタスクは普段の習慣レベルのことしかできなくなり、判断力が著しく落ちるそうです。

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そしてエレーヌ曰く、タスクの切り替えには多量のエネルギーを消費するため、何かの物事から別の物事について考えるためには「間」を空ける必要があるとのことです。ですから、勉強を30分したあとに5分だけスマホを触ろうと思っても、どちらにも集中ができません。そして、スマホを触らないときよりも、タスクの切り替えにエネルギーを消費してしまい、どっと疲れてしまうのです。

タイマーを使うのはアリ、ただし「訓練」でしかない

どうしてもスイッチングが必要な場合は、ある種の「訓練」として、タイマーを使って今やっている物事を終わらせるという方法はあるようです。ただし、やはりその場合でも「訓練」の域を出ず、できるだけタスクの切り替えが発生しないように務めるべきである、という主張がエレーヌによってされています。
ポモドーロ・テクニックと呼ばれる方法があります。これは、「25分集中して、5分休憩する」という、タイマーを使った仕事テクニックです。だいぶ世の中に浸透したテクニックですが、これのポイントは、「25分経ったら、どれだけ疲れていなくても必ず休憩する」という点です。つまり、疲れをためないということ自体に注目したテクニックなのです。

日本での実験結果もある

また、仙台市で中学生向けに行われた実験によると、「家庭で毎日2時間以上も勉強をしていても、スマホを3時間以上使用すると、スマホを使用しないかつほぼ勉強もしない生徒よりも、成績が低くなっている」ことがわかっています。つまり、1日3時間スマホを使うだけで、2時間を超える勉強の努力が消えてしまっている、ということなのです。

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